白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

トルコ風アイス|練れば練るほどおいしくなる

今週のお題「好きなアイス」

 

 



それはトルコの風

昔の自分が好きなアイスといえば
それは「トルコ風アイス」だと言わざるをえない。

隣町の駅前で、今はどこで何をしているのかまったく分からない
幼馴染のSとともに遊んでいたころ、俺はトルコ風アイスを買うのが好きだった。

砂場でそれを開くと、真っ白な顔がのぞいた。
俺はその真っ白な顔が気に入らないとばかりに
もらった木の棒で表面に傷をつけて
中身をえぐってかき回していった。

その特徴というのは、練れば練るほどおいしくなると
銘打たれていることである。
そのアイス、当時の自分にとっては決して安くはなかった。
今の自分ならば、別にアイスなどは好きなだけ袋に詰め込めばいいのだが
(とはいえ、そこまで食べたいわけではなくて
 また、冷凍庫にもあんまりスペースはないのだが)
その価格はうまい棒に数倍はするという高級品である。

では俺は、購入する対象にはそれなりのハイスペックさを求めるのだ。

ともに成長しよう

しかしながら、ほかのアイスは
もう完成しているよと
店先の、あるいは店中の冷凍庫に並べられているだけであった。
その中でちらりと周りと同じような顔をしながら
「私はまだまだこれからよ」と
生意気な顔を強いてう人のがトルコ風アイスである。

練れば練るほどおいしくなるのならば
俺の努力次第でこのトルコ風アイス
まだまだ輝くを増すということなのだ。

トルコ風アイスのポテンシャルを引き出すのは
俺自身なのだと考えると俺はなんだか不思議な気持ちになった。
そうだ、一緒に成長しようトルコ風アイス

しかし、トルコ風とはいったい
どういう意味なのだろうか。
グーグル検索を一瞬してみたのだが
トルコ風風呂なるものが出てきて
トルコ風の意味をつかむことはできなかった。

誤解

俺は小学生のころは肥満だった。
ある日、テレビでこういう物を見た。

アイスを食べると体温が下がる。
そして、人間はその体温を上げるために
体の中の脂肪を燃やすので
アイスを食べてもそれ以上に痩せるので
いくら食べても大丈夫!

衝撃だった。
アイスをいくら食べても大丈夫なのだ。
トルコ風アイス、待っていろ!

別れ

いつからか、トルコ風アイス
その姿を見かけなくなっていた。
なぜだろうか。
子供のころの記憶には不思議な頃がたくさんあった。
幼馴染の兄弟DとYが一家事突然消えたのもそうである。
彼らはもしかしたら、死んでしまったのではないだろうかなどと
時折思い、ジャンプで好きな漫画が
突然、来週からやりません、今週で終わりですなどと書かれており
訳が分からなくなった。

トルコ風アイスの消失は、それくらい大事件だった。
理由を検索してみると
何らかの策略というよりは
単純に人気がなくなって製造中止になったということである。

ということは、だれもが
俺の信じていたようにトルコ風アイスのポテンシャルを
信じてやれなかったことが原因のようだった。

しょせん、まがい物

俺は、そのあともトルコ風アイスの影を追い求めていた。
テレビでまたこういうことがやっていた。
通常のバニライアスにあるものを入れることで
トルコ風アイスが再現できるのだと。

それは納豆だった。
正確に言えば納豆のねばねばした部分である。
これを入れることによって、トルコ風アイスが再来するのだという!

俺はねばねばを、「爽」に入れてみた。

確かに似たようなものにはなった。
しかし、ネバネバと一緒に入ってしまった。
いくつかの納豆の本体のにおいが邪魔をして
トルコ風アイスと呼べるものではなかった。
これはまがい物である。

まがい物はしょせん、まがい物…。
俺は、トルコ風アイスと永遠の別れをすることになった。

こうして、俺とトルコ風アイスの道は
分かたれたのだった。