新型コロナウイルス時代というものが
そんな名前のものがあるのだとして
恐らくそれは教科書に載るくらいには世界を変えてしまったのだろうけれど
その時代に突入してから初めて俺たちは集まった。
それは大学時代の同級生たちだった。
彼らの顔を見るのは久しぶりのようで
なんとも言えない気持ちにも…ならなかった。
彼らと会うことの感動たるや、特に心が動くこともなし。
別にそれでいいのだ。
それがいいのだ。
いいのである。
彼らの存在が昔の自分を思い出せるようで痛いのが逆に気持ちいみたいななんだかよく分からない感情になって、よかった。
6600円する店の外観と内観は豪華であり
ワインいっぱいで高揚させられる気持ちになった。
盛り上がるような、でも盛り上がっていないような話題の末に
俺はたまに来ているスターバックスカフェにたどり着いていた。
グループ通話をかける。
「誰かYouTubeやってないん?」
電話の向こうのメンバーラブちゃんが言った。
一瞬の躊躇があって、間があって
「ヨネヨネちゃんねるって知ってる?」
と俺は声に出した。
俺は何するにも中途半端だった。
俺はYouTubeを実施するにあたって
ある程度努力した。
100%を常に出していなくても80%くらいは出していた。
そうして…
収益化のラインは超えているものの
別にすごいと言えなくもないような微妙なラインであった。
経験談として内輪自慢くらいにはなるがそれ以上にはならなかった。
俺は口をつぐんだ。
電車の音がする。
俺はグループ通話をミュートにした。