白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

「星の子」

 

芦田愛菜主演の映画。

病弱な子供として生まれた、ちひろ
手を尽くしてもなんともならなかったちひろ
ある宗教が提供している「お水」が救う。
ちひろを救ったその宗教を両親は信仰することになった。

なんとなく見た目が好きだった堀北真希が引退し
その後、どんな俳優を好きかというのがあったとしたら
芦田愛菜が最近は好きかもしれない。

「星の子」を見かけたのはたぶんYouTube広告か何かで
特別な何かではない、宗教と共に生活するある青春期の女性の物語を描いている…
という印象だった。
気になった。
芦田愛菜さんは、堀北真希のように圧倒的なきれいさではないけれど
だからこそ描き出せる、演じられる何かがあるような気がする。

そして映画館ではなく、Amazonprimeビデオで、それを見た。
きっと大学生のときであれば、俺はこれを誰と一緒に映画館で見たのだろう。

いわゆる宗教についてあんまり深く考えたことがない。
いくら自分の家庭環境が変だったからと言っても
いわゆる宗教ではなかったし
いくらおばあちゃんが教祖みたいに変貌した瞬間があったとしても
それはリアル教祖ではなかった。

中学3年生の、ちひろ、ちーちゃん。
両親がその宗教を信じている理由は、幼いころの自分を救ったから。
両親のことは愛している、ちーちゃん。
きっと、彼女は両親だけではなく、その周りの人たちも愛している。
すべてが清らかな天使ではないけれど、何気ない生活を、何気なく過ごしているんだと思う。

親が両親で、そのまま同じ宗教に加入する(加入するで合っているのか?)ことを
「宗教2世」というらしい。
知らなかった。

俺の家にも宗教2世が来たことがある。
彼女は自分自身でそれを信じているのかどうかは分からなかった。
暇だ暇だと過ごしているとインターフォンが鳴って、扉を開けると、立っていた。
何で勝手に敷地に入ってきているんだよ。
悪びれもしない笑顔で、親と子は、何やら売り文句を俺に語っていった。

キリスト教に加入する宗教2世を知っている。
新興宗教なんかよりはメジャーで、小学校時代にも、キリシタンはいた。
でも、やっぱり、それは理解できなかった。
日本は、日本人は、その文化自体が軽い宗教なんじゃないだろうかというと
それは宗教を信じている人に怒られるだろうか。

正月には和風に祝って
結婚式はウェディングドレスを着て(いわゆる結婚式のイメージはこっち)
ハロウィンしたり、クリスマスを祝ったり
死ぬときは葬儀をして
冠婚葬祭、ごちゃごちゃにやる。

理由は知らない。
理由は分からない。

ちーちゃんは、考えている。
ちーちゃんは、自分の意思を持って考えている。
結論が彼女自身が望んでいるものかどうかは分からないが。

宗教っていうのは信じることによって、盲目的になることだと
なんとなく思っているけれど、そのスタンスは真逆のように見えた。

学校の先生にあこがれを抱いたり
同性の使っているアイテムに興味を抱いたり
両親に寄り添いたいという強い意志があったり。

誰にも何にも興味を示さない自分なら
宗教との相性はいいのかもしれない。
だって、それに従っていればいいんだって条件づけられたら
考えるのが一気に楽になるから。

何かの解決策を練るときに、世界全体のことを計算するほど大変なことはない。
範囲を絞らないとやってられない。
生きる、とかいう行為はそれを自然とやっているんだろうけど
それができない人間だっていっぱいいることだろう。

導いてほしいし救ってほしいと考えるけれど
それを自分と同じ人間であるパートナーや友達に求めるのはあんまりに酷である。
だとしたら、見えない偶像に、それを求めてもいいのではないだろうか。

「星の子」に圧倒的なカタルシスはないと思う。
加入している宗教に対して怪しい噂話がところどころで挿入されるが
結局はその宗教の有名な人が焼きそばを作って終わるし
行方不明の姉は一応、どこかで子供を産んだとだけ語られる。

最後はちーちゃんと、父親と母親が3人で星を見上げるシーンで終わる。
ちーちゃんは、夜空に流れ星を見たといった。

ときどき、ちーちゃんは嘘をつく。
禁止されているはずのコーヒーを飲む。
描いているはずの先生の絵を別人だと主張する。

もしかしたら、彼女は他人の幸せのためにも嘘をつくかもしれない。