白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

危機感のなさ



新型コロナウイルスによる人の性の露見。
コロナ観の違い。

日本人は危機感がないなんて、同じ日本人がツイッターでは批判をしている。
俺はそんなツイートを毎日、検索しては、見て、検索しては見る。
そこには特別な感情があるわけではない。
自分のエゴサーチをするかのようになぜか毎日毎日、検索している気がする。

かくいう俺も危機感はない。
いや、新型コロナウイルスに対しては、俺の行動は模範的だと思う。
なぜなら本当に家からほとんど出ていない。
会社が無理やり俺を出勤させるので、確かに平日、必要があれば出社はしているんだが
基本的には自宅にこもっている。
こもりきりである。
遊びに行くことなど、一切ないと言っていいだろう。

では、何に危機感がないかといえば、人生において、人としての危機感にかけていると言わざるをえない。
俺は今年、会社を辞める予定だ。

「なんだかんだいっても正社員よ」

BPさんと言われる…ビジネスパートナー、契約社員さんが俺に言った。
そうなぜだか、日本人は新卒というものが好きらしく
スキルも何もない大学卒業生をスピーチの上手さで採用する。
そのカードを俺は切って、今の会社にいるということになっている。
今の会社…、なんだかんだ言って、最初にこの会社に入れたのは悪くはなかったと思う。

電話番はないし、基本業務にノルマもついていない。
特に何も言われなかったので、1年目は業務外であるVBAを好き勝手に勉強していた。
周りがIT知識がまったくないので、ものすごい持ち上げられた。
好きなタイミングで休みをとれるため、これまで急な業務予定の変更もできなかったことはなかった。

…だが、企業としては悪質な側面もあるし
業界の体制は腐りきっている。

だから、やめる。

…いや、もうこれは3年前から決めていた。
3年前の俺は、この理由で辞めるつもりではなかったのだが
3年前の自分ではなくても、最近の会社の動向を見ていると
損切りしたほうがいいのではないかと思い始めている。

間もなく俺は「退職願」を書くことだろう。

唯一、俺の計画になかったのは「新型コロナウイルス」だった。
新型コロナウイルスさえなければ口八丁で、適当な企業に就職できそうだったが
なぜか沸いてきたこの厄災は世界全体に対して、大きな衝撃を与えた。

あらゆる人やものが影響を今、受けている。
簡単に転職できるなんて思わないほうがいい、と理性的な自分は告げている。
だが、俺は「もういやだ」という。
天下りの腐った世界の中で生きていても、もうこれ以上はない。
職場の中ですべての範囲にかかわったし、なんなら職場外にもかかわった。
もう、いいだろう…。

そして新型コロナウイルスは、人との関わる機会すらも奪っていった。
自粛はしないといけない。
それが会いたい人、大切な人のためならばなおさらだ。

俺は一人暮らしだから構わない。
かかったとしても自宅待機で、誰にもうつす機会はない。
最悪、前に試したデリバリーもあるので
食料にもきっと困ることはない。

だが、すべての人が、そうではない。
体の弱い家族もいるかもしれないし
もともと免疫機能が弱い人だっているかもしれない。
俺が知らないだけで。

職場でどれくらいの人とかかわるかも分からない。
自分だってそうである。
いや、自分の場合は、職場で発生しない限り
会社全体が分かろうとしていない感じがあるので
ちょっとくらい、反省してほしいと、暗に思っているのだが。

とにかく、人とのつながりは希薄になってきている。
だって、会えないから。
単純接触効果なんてものがあるけれど
まあ、学校が別になって別れるカップルなんてものがたくさんあるくらいだから
本当、そうだと思う。

この3年間で、ずいぶん人とかかわる機会が減った。
俺の価値観では、他人と接している以外の時間は、ほとんど意味をなさない。
徐々に、徐々に薄れていく日常の価値を感じて、少しずつ、少しずつ心が弱っていく。

きっと、今部屋の中で死んだら、俺は黒いしみになる。
俺の家に来てくれている友人や恋人はいない。
安否の確認などもほとんどない。
孤独死ってやつだな。

そしてこれは時間がたつにつれ、状況がひどくなっていくんだと
理性的な自分はこれまた把握しているのだ。
把握しているのだけれど、俺はもう「どうでもいいんじゃないか」と投げやりになりつつある。

危機感を持てって。
しっかり生きろって。

もっと頑張れって…、自分から自分への言葉は、すごい弱いと思う。
所詮予想された範囲の何かだから。