あんまり心に残らないタイプの作品でも
その中のセリフには妙な力があったりする。
心に残らないタイプとはいっても
自分が好きなわけじゃないだけで、たぶんそんなセリフがある時点で
とてもいい作品なのだろう。
例えば、ジャンプの打ち切り漫画「ツギハギ漂流作家」には
「何が嫌いかより、何が好きかで自分を語れよ」という
とても前向きでいいセリフがある。
ツギハギ漂流作家は、確かにいい漫画ではなかったかもしれないが
このサリ不を生み出しただけでも随分と世の中の人を救ったことだろう。
さて、「あまたの中にあるうちはなんだって名作なんだって」という
このうろ覚えのセリフは、確か「何者」という就活をテーマにしたものである。
頭の中でイメージしているうちは
とてもいいものでも、それを現実に下ろすことは困難だし
下ろしてきたとしても、スーパーありふれたスーパー凡作になってしまいがちだ。
そして自分は、今の自分は
頭の中にあるものを現実にする力がない。
人に頼むのもまた財力。
自分でやるのもまた技術力。
あらゆる観点から、その力のない自分は
今日もまた、ないない尽くしの自分絶望するのだった。