白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

能力のない人



27歳にもなって俺には社会人としての能力が
何一つとして身に着けていないような気がした。
危ない綱渡り。

社会とは、わけの分からない共同幻想の中に成り立っている。
俺は、今の会社の中でなんとか毎月の給料を得ているけれど
それはなんだか夢のようなもので
冷めてしまえば失職してもう二度と立ち上がれないのではないかとすら思う。
それだけに社会における年齢というのはシビアだ。
30を超えればそれなりに独立したスキルを求められる。
恐らく仕事を教える立場になるのではないだろうか。
俺は全く怠慢な男だった。
いつも、今まで。

今でさえ怠慢な男に違いないのだ。

能力のない人が能力のあるふりをするのは疲れる。
能力がないのだから。
これはきっと、生まれついてなかったのだと思う。
昔から教えられたことを守れなかった。
教え方が特別悪かったわけではないと思う。
ただ、俺には分からなかったのだ。

ただ、分からないのだ。
俺には。