2023年はAIの革命元年だとIT能力の低い俺でも分かった。
以前東京で出会った優秀なハッカーの弟子という男性と話したときにCHATGPTの進化をかなり単純に言えばデータを増やす量をいっぱいにしただけだという。
誰もデータの量によってここまでの進化が起こるというのは予想できていなかったということだ。
AIでの画像生成やAIでの文章作成は確かにまだ
AIならではの癖にようなものが見え隠れしているが
何もないよりもずっといいようなものは作成してくれる。
それは、あまりにも質の高い機械的なものだった。
「もう人間いらなくない?」
「これもうコナン君じゃない?」
SFの世界がそこまで迫っている。
その未来は、あまりにも多くの犠牲が予想された。
この世界に子供を残すべきなのだろうか。
葛藤する。
俺たちはなぜ生き、なぜ繁殖するのか?
問うも、自分だけの問答にはすでに飽きていた。
「フリーランスでできるやん?」
春山君が入っていた。
しかし、もうフリーランスで出来る仕事の大半は
奪われてしまうのではないだろうか。
言語を理解した人間が生成AIを利用すれば
大抵のものができあがってしまう。
コーダ―を雇う理由があるだろうか。
失職。
以前、高島屋でアルバイトをしていた俺は
対人接客が嫌で
伝票整理をしている時間が一番安心できるものだった。
しかし、俺が辞める間際にデジタル化が進み
伝票整理の時間がなくなってしまった。
それは効率化であるが、同時に俺の失職の瞬間でもあった。
何もできない人間に仕事を与えるAIも
そのうち出てくるのではないだろうか。
だって、人間は「できる」という肯定感を与えなければ
壊れてしまう人もいるのだから。