白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

透けて見える傲慢

 

 

コソコソと動画を作った日。
本日は3月4日月曜日。俺の仕事はない。
なんだか仕事が発生しそうで発生しない日だった。

この隙に…と俺は直接の仕事とは関係のない組織活動の仕事に着手した。
得意なことがあるのであれば他人にはできないところで俺は俺のできることをやるのだ。

前任者…正確には今も担当ではあるのだが、は今は会社をお休みにしているらしい。
口ぶりから、あんまりいい感じの休み方ではないように思える。
俺もおととしの12月に会社と同じような感じで休んだ。
自分が給食のような状態になるなどとは前の会社にいるときは想像もつかなかった。
社会は案外緩いなんて冗談ではない。
社会とは会社でしかない。
俺たちは、サラリーマンである限り、常に環境に左右し続けられる。
その環境に何がいるのかを自分では選択できない。

その12月も俺は仕事がなかったわけではない。
そのときも組織活動の一員にはなっていたのだが俺はすべてを手放してもう一人のメンバに丸投げすることにした。
あ~…悪いな~悪いな~と思いながら俺は会社を休んだ。
休んだとて回復の手段などありはしないのは分かっている。
俺の日常に俺の回復のありかはない。
ただただ俺はダメージを受ける時間を減らすのみ。

そうして今、仕事上には余裕があるといって差し支えない。
2月の末は他タスクが影響して俺のタスクに余裕が出たおかげで
今日の朝やっとすべての問題が解消した。
あのままテストに入っていれば確実に問題が起きていただろう。

ともかく前任者は蒸発した。
理由は分からない。
確かめたくもない。

だが、俺はその穴を埋めるしかない。
見た限りではその役を担える候補は俺しかいないようだった。
そんなに珍しい能力でもないような気がするのだが案外、白羽の矢が立ったのは
人類みな発信者となったこと時代でも、それをする者が多くはないということなのだろうか。

コソコソと作業を進めた。
18時過ぎという、ちょっと定時を過ぎたころに作業を終えた。
俺は案外こういう仕事の方が好きなのかもしれない。
だが、この仕事をしたとて俺のサラリーマンとしての評価が上がるわけではない。
俺のサラリーマンとしての評価は依然、暗い雲の中にあり、
見通しのつかない未来のうちの1つとして、漠然と見えない影だけを俺に見せていた。
実体は分からない、掴めないままだ。
それは案外、小さなものかもしれないし、太刀打ちできないほど大きなものかもしれなかった。

助けられたのであれば、俺助けられる状況で助けに入らないわけにはいかない。
俺は今日自分のなすべきことをなした。
という認識でいたけれど。
本当はきっと違う。

自分はやはり賛辞されたいだけの小さい人間だと思わずにはいられない。
そうしてそんな人間がやはりもう一人。
彼もまたそうだろうというのは、なぜだかその態度から漏れ出していた。

聖人とはなんだろうか。
どうしたって見栄張りな自分はこんなにも透けて見える傲慢を着て
今日も、立っている。