Instagramの略称、インスタを聞くたびにインスタントラーメンのことを思い出す。
インスタントラーメンのことを思い出すと…特にその先に連想されるものはない。
きっとInstagramのインスタはインスタントラーメンなのだ。
さてさて、俺は壁上の剥がれた雑然とした部屋のクッションを眺めていた。
丸いフォルムに太陽の光を受け、その艶かしい海の青を全力でアピールしているようだった。
俺はその上にのった。
インスタライブというものがある。詳しくは「インスタライブ」で検索してほしい、俺にも分からない。
とにかくそれを見たかった。目的のライブを開くと「○○さんが視聴を開始しました」と表示された。
「えー!恥ずかしい!」
ひとりごちた。
ひとりごちた、という表現が例のごとく自分の中から流れ出したのだが、調べてみると古典のことばで現代語ではないらしいとか…、いや、それも通用しているんだとか面倒な議論が展開されていることを知った。
改めて、そう心のなかで俺は呟いた。
匿名性が保たれないとは…。
すでに気づいたときには遅く、ほかの視聴者たちが次々と視聴を始めていた。
時折、右下から大量のハートが出てきていた。
なんじゃこれ…。