緊急事態宣言。
その名の通り緊急事態を宣言するための宣言だと思う。
学校でこの宣言について学んだ記憶がないので、恐らく一部の人間を除いては
初めてこの緊急事態宣言に触れた人間がほとんどなのではないだろうか。
一度目は、国を挙げての一大事と思われた。
スーパーからは食品などなどが消えて
なぜかトイレットペーパーやキッチンペーパーさえもその場から消え去った。
キッチンペーパー使いと呼ばれている俺は困ったものだった。
そして、ある程度範囲を絞った緊急事態宣言だなどといいはじめて
今回は3度目の緊急事態宣言である。
国の1年間のスローガンもいろいろあったものだったが
勝負の3週間、真剣勝負の…と続くギャグのような数々のウェーブに俺も口を抑えるしかなかった。
渋谷の街をその日も歩いていたのだが、なんだか人が多い。
ゴールデンウィークの初日だからだろうか。
マスクをしていれば、もうあごにさえ引っ付いていればなんでもいいように見える。
ああ…。
人だかりができていた。
俺は止まった。
通れん…。
そして、その奥をよく見ると…
マジックショーだった。
トランプを差し出した韓国風のファッションの青年がマジックをしていたのだ。
路上マジック!ばんざい!
馬鹿野郎!
家でやれ!