決済サービス…なのかは分からないが
後輩が電子上で決済をやっているのを見て
そろそろ頃合いか…と思い始めた。
一人暮らしを始めてしばらくしたころ
俺は思っていたことがあった。
「そろそろ現金がない…
イトーヨーカドーでの買い物する時にATMに寄ろう。
ATMに着いたぞ。多めにおろそう。
よし、お金をおろしたぞ。
お金をおろしたからnanacoカードに入れよう。
よっしゃ買い物だ~」
ATMに入っていた電子的なデータを
現実に持ってきて
その持ってきた現金を妙な機械に通して
カードの中の電子データに直す。
ナンダコレ?
同期の社員がやってきた
電子データを印刷して送ってきたものを
こちらで再びスキャンして電子データに戻すという作業に似ていた。
無為。
電子ですべて処理できるのならそれでいいのではないか。
とはいえ、大学の頃は磁気定期券をわざわざ出して通していた俺は
わりとアナログタイプな人間なのかもしれなかった。
しかし、後輩たちが当たり前のように
電子決算していたのを見ると
俺はあまりにも現代から離れたところにいるような気がした。
PayPay入れる。
住所は前の住所を登録することになってしまったが
なんとか通った。
そしていざ…。
スーパー。
何かダボダボした服を着た若者が後ろにいたが
俺は負けない。負けられないのだ。
「PayPay使えますか」
「使えますよ」
「ちょっと初めてなんで分からないんですが…」
「バーコードを…」
「あっ、これか…」
決済完了。
俺のPayPayデビューが終わった。
俺は、PayPayになってしまった。