白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

変な人と変質者



今日も東京は晴れていた。
一昨日だか、3日前くらいに雨が降った日はあったんだけれど
2月に入ってから、というか印象的には2021年に入ってから
基本的に東京は晴れている気がする。

新型コロナウイルスなどというものが流行し
世間が敏感に反応した時点で、行動に制限がかかっているらしいが
街行く人々をみるとそんなことは関係なさそうである。

空を見ると、鳥が飛んでいるのがよくわかる。
水色を選択して、バケツで塗りつぶした天蓋にいくつかの黒い“てんてん”が見えた。
俺はその空の下を、ライダースジャケットにブラウンのコートという変な服で歩いていた。

久しぶりに人間と会う。
後輩のそのまた後輩という彼は、何やら「団体の中で学ぶことがもうない」という
4回生にありがちな状態に陥っているようだった。
1時間半の電車移動を経て、国立駅というところにやってきた。
奇しくもそこは、3年前に友人が住んでいた小金井の近くだった。

Youtubeや、最近集めているプレゼンテーション資料を見比べながら作成した
パワーポイントはややウケという反応を残してくれた。
そして俺はその日、一つの用事を終えて、帰路につくのだった。

電車の中で後輩のさらに後輩に「変な人」と「変質者」の違いについての話をした。
むろん、正確な言葉の定義に関しては詳しく知らないので感覚的な意味である。
ちなみに変質者というのは正確には性的な行為を働く者の呼称であるようだ。

大学時代、いろいろな人と出会った。
変な人というのは、自分の中でいい意味である。
ユニーク、とも言えるのだがユニークでは足りないのでこのように表現する。
つまり俺の世界における、すごい人たちである。

周囲に認められる、一つのことをやり抜く、他人の人と違う雰囲気をまとっている。
彼らはすごかった。
自分は到底できないことをやり通す彼らと一切勝負したくなかった。
彼らのようになりたいと願ったこともあったが、結局はその地平までたどり着くことはできなかった。

反面、変質者というのは俺にとってよく分からない存在である。
謎に距離が近い、行動原理が理解できない、言動が不可解など。
こういう人間もいる。
前者との違いはもしかしたら単に俺の好みなのかもしれない。

天才は奇人であるし、カリスマは教祖だと思う。

そして、自分は…。

自分は変な人にあこがれているだけの普通以下の人間だと思う。
始めるのが、始まるのが遅すぎた自分が、気づけばそこにいた。

そういえば、半分、俺と同じ遺伝子を持っていて
かつ、まだ小学生の人間がいることを思い出した。

彼はどうやって成長するのだろうか。
全く違う環境で育つ彼は、自身の才能をいつ目覚めさせるのだろうか。
もう自分では見つけられない世界を、彼を通してみてみたいと思う。