白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

無視する、無視される

「窓から見える風景と観葉植物」の写真

 


無視される

最近そんなことばかり考えている。
マイナス思考なんだと思う。

4月、桜の時期を終えて、用事のある月を終えて
ゴールデンウィークという連休を
ほとんど無為に過ごしてしまった自分は
なにやら苦しんでいた。

返ってこないLINE。
返ってこない業務連絡。

別にいいんだと
それはそういうもんなんだと自分に言い聞かせてみるけれど
やっぱりそこに冷たさを感じてしまう自分がいた。
自分が信じている価値観なんて、おそらく正しくはないのだろう。
それでいて、それを認められないから俺は面倒な人間なのだ。

頭上の照明が煌々と部屋を照らす。

「アレクサ、照明つけて」
「ハイ」

「アレクサ、照明オフ」
「ハイ」

このふた言葉俺とアレクサの間で交わされるまで
この照明はずっと点いているのである。
太陽光よりもおしなべて生ぬるい光が
自分を守ってくれている気がした。

 

無視する


「元気w?」

見知らぬ男からのラインが届いた。
いや、よく見てみると見知った顔である。
見知った…といえなくもない顔である。
東京にいたころ、何度か顔を合わせたことがある。

地域のなんとかセンターに行った時に
出会った男性のうちの一人だ。

別にLINE交換をしたいわけではなかったが
LINE交換を迫られてしてしまった。
あ~。

「誰だよ」

俺はメッセージを削除した。
メッセージを、無視した。

無視されることに心を痛める自分。
無視する自分。

それは両立してよかったのだろうかと一瞬思った。

いやいや、俺が無視されているのはもっと距離の近い人…。

…と思ったものの、心の距離なんて測れるものではない。
あの時話した日々は、あの時共有した喜びは
すべて思い込みに等しい過去のものである。

いっそうもしかしたら俺はもうぼけていて
その思いですら俺の創作かもしれなかった。
それを否定する材料もない。
一体自分はいつからここにいるのか。
いつまでここにいるのか。

ただ今日が終わり、また明日が来る。