白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

ああ、それはミャクミャクどら焼き

今週のお題「あんこ」

 



東京から出張している会社の先輩はネットワーキングを積極的に立てる。
俺は動画を編集していた。
そのころの俺の勤務時間には余裕があったため、数限りない動画素材からなんか分からないが適当な組み合わせを考えてプロモーション動画を作成していた。
そうして俺のパートが終わった。
俺は次のパートを別の人に任せることにした。
いやあそれは結構面倒くさいし、いわゆる単一障害点になってしまうことを危惧していたからだ。

そうして任せて2週間でその人は、消えた。
うちの会社はよく人がいなくなる。
原因はストレスか、業務過多か。
俺だって2回もプロジェクトから離れているのだから人のことは言えない。

動画編集の仕事は再びおれの元に戻ってきた。
俺は、作った。

会社の先輩と打ち上げ代わりのお好み焼きを食べる。
年齢の話になるとそのだいぶ上のポジションだと思われた先輩は自分の年齢よりも1つ下であることに気づいた。

「聞かなきゃよかったですね。」

そう彼女は言ったのだった。

その帰り。2月の寒い夜の下で駅に向かう途中
大阪の淀屋橋駅近くの工事現場には白いパーテーションにいくつものミャクミャクの姿が飾られていた。

「もう万博の予定は、入れた?」

ミャクミャクがそう言っている。
このミャクミャクという生命なのか怪しい中年太りのキャラクターは
笑いながらそのように問いかけてくる。

一方、俺の部屋のバスケットには
もう1か月くらいミャクミャクどら焼きが鎮座していた。

Lineを無視し続けている同級生が最後に俺にくれたものである。
俺はあんこが食べられなかった。
たまに俺が食べられないものを俺にくれる人がいる。
というか、俺が食べられないものをくれる人が、多い気がする。

俺は運がないのは分かっているけれど
こんなところにもそれが現れるのだろうか。

鎮座したミャクミャクどら焼きを悪いなと思いながら、起床し、悪いなと思いながら就寝する。
そんな生活が続いた。

もち入り、と書かれたそのパッケージを見て、「おいしそうだな」とは思うが
実際には食べられないのだから不思議なものである。

それを食べたのはある後輩だった。

「もっと余っているものはないですか」

そのように彼女は言ってミャクミャクどら焼きをすべて回収してくれた。
彼はそのようにして人のエネルギーになることができたのだ。

ありがとう、ミャクミャク。

3月の終わりである。

Cherry blossoms are getting bloomed.

英語の教師が画面の中からそういった。
暖房の電源を落とした。白い床が少し冷たかった。