3月10日、朝である。
成果君は7時50分である。
出勤というか、家を出る時間までは残り30分くらいである。
今日は3時に起きてしまったので、多少時間に余裕があった。
3時に起きてもこのくらいしか余らないというのは、俺は相当朝に時間を使っているということなのだろうか。
今日も、今日とて、朝ご飯はうどんであった。
手抜きご飯であることは、最早間違いないだろう。
見る、見られる。
昨日も一日、席に座って、いるんだかいないんだか分からない業務をしていた。
正直、あの席に自分が座っている意味はあんまりなかったと思う。
職場の働き方がやけにアナログなせいでこうなっているのだが、そこはどうにもならないらしい。
おじいちゃんの相手をするのは疲れた。
思えば大学生のころからもおじいちゃんの相手をしていたし
実際のおじいちゃんが生きていたときもおじいちゃんとの接し方はよく分からなかった。
あんな野生から出てきましたみたいなおじいちゃんだったのは、今思えばおかしいような気がする。
なぜ逮捕…、よくて補導されなかったんだろうか?
そんな人とのかかわりがない業務にもかかわらず
俺は髪の毛を整えようと頑張っていた。
まあ整わないのだが。
毎回、結果が違うというのはあんまりよろしいことではないのだが
自分の髪質は、俺の能力不足があるにしても
あんまり「まとも」とは言えないと思う。
大学時代の毎回同じような服を着ていたのを反省し
今は毎日違うような服を選んだりもしていた。
特に、誰に向けてやっているわけでもないし
そんなことを誰に頼まれたわけでもない。
見る、見られる。
人に見られる、人に見られない。
たぶん、今の俺は誰にも見られてはいない。
それでもいつか誰かに見られるときのために俺はやっているんだろうか。
見られるための練習を。
鏡でセットした髪も
動画で確認してみると、なんだか妙な気がした。
写真写りが悪いというのは、いわゆる、この左右差からくる違和感のことではないのだろうか。
そんなめちゃくちゃな左右非対称な顔ではないものの
髪型はちょっと左右非対称な気がした。
こりゃあ…、あれだな…、どうしようかな…。