白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

「君は英語できるんだっけ?」

H06 Toranomon Hillsの写真




高校生の時ちょっと発音いい感じに英語を口に出すと
クラスの全員から笑われるものだった。
そういう意味で言うと日本の英語教育は行けてないのではないかと思う。
周囲の反応から学ぶことはあるが
逆に周囲の反応によって俺の出た杭のようなものが
たたかれて亡くなった経験は数知れないと思われる。

結局のところ、周囲に負けるような自分だったからこそ
俺は今こんなにも何もできない大人の体を作り上げてしまったのだと思う。
情けない身体だった。

「君は英語できるんだっけ?」

外資系企業に入っておいてなんだが
入社前にあまり問われてなった英語の力が
最近よく問われてきている気がする。
もちろん通訳の係を担当する社員がいて
その人を介してコミュニケーションを取っているシーンも多いのだが
やっぱりチャットでは英語を使うし
メールでも英語を用いることが多い。
そのたびに検索しながら文章を直していると
もちろんコミュニケーションのために時間を割くことになる。

君は英語できるんだっけ、はナチュラルに俺に投げかけられた疑問である。
周囲の話を何となく聞いていると
なんだか留学に行っていない人のほうが少ないようだ。
俺は留学にはいかなかった。
別に行く機会もあったのかもしれないが興味がなかった。
英語にも興味がなかった。
別に楽しいと思う機会があれば言語を覚えるということにはそれなりに
理解はあるつもりである。
別の言語…?と言っていいか分からないが
日本語以外を覚えている、学習している自分にとっては
英語も別に抵抗は…ないような…?

昨夜、グループが集まった時に突然英語で
みんなが自己紹介をし始めた時
俺は驚いた。

あれ…?
英語で自己紹介なんてしたことがあっただろうか。

見るからに外資系って顔をしているようなスーツの男性
外国人の女性
外国人の女性
…そして自分。
流ちょうに英語を話せないのは自分だけだ。

「My English is so poor, sorry.」

予防線を張ってみたが
「私はそれに詳しくありません」といいたくても
言葉が出てこなかった。
所詮、言葉を別の言語にしたいだけだというのに
言葉が分からないというのはもどかしいものだ。
自分の中にある気持ち、意見を相手に伝える
伝える、ための、ツール
そのために言語があるだけなのに
その一枚が厚い。

「I don't know much about it.」

今朝スマートフォンでフレーズを調べると
このフレーズを調べることができた。

「アイドンノウマッチアボウティト」

一人で、呟く。

かつて自分の恋人は英語を話すことができた。
彼女の友達とも友達になってみたいと思い
英語を学ぼうとしたこともあった。
後輩の一人が外国の出身で、やっぱり英語のほうがコミュニケーションがとりやすいとしって
英語を学ぼうとしたこともあった。

どれも続かなかった。

結局、英語を学ぶということはコストが結構かかる。
留学などを用いればコミュニケーションという自然な流れの中で
英語を学ぶことができるのだと思う。
実践、実践が力になると別の言語を学ぶ中で俺は知っている。
その言語を学ぶ上ではほとんどコストがかからなかったけれど
英語はビジネスに直結しているといっていいほどには
経済的な影響力がある。

全員が全員、英語を流ちょうに発音するわけではないけれど
片言らしくてもみなコミュニケーションを取っている。
特に、自分は聞き取りが苦手である。
相手のことを考慮しない自分の性格が
自分の能力にも出てきているんだろう。

また、やるか。
理想の自分は遠い。

というかきっとそれは
他人に迷惑をかける。

だから俺は
理想の自分には
なれない。