白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

恥も何も

 

 


高校のころ、屋上(といってもドラマのような場所ではなく、錆びた階段の踊り場のような場所だったが)に誘い出してくれた友人は結婚し、子供をもうけて、車と家を買っていた。
不思議とそこに嫉妬心はない。
それは誘い出す側と誘い出される側という時点で俺と彼は全く別の人間であることを指し示していたからかもしれない。
嫉妬深い自分のことを嫌いつつも、彼に嫉妬心を燃やさなかったことは俺を安堵させた。

一方、焦りのようなものも感じなくはなかった。
映像の中の自分も鏡の中の自分も、確かに劣化していた。

目が痛い、体が痛い、頭が痛い。
手に持ったものが落ちる。

コミュニケーションが取れない。

恥も何も…。
ずっと、ずっとそうだ。