白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

言葉が、重い

月に一度オンラインで通話をする間柄の者たちがいる。
近くも遠くもないその者たちの間でこの前タイピングゲームをした。
緊張のさなかであった。
俺はもっと緊張する場面のなかでタイピングをしてきたはずだったのに、そんな場ですら本領を発揮できないでいた。
あの頃の俺の努力は一体何だったというのだろうか。
確かに緊張に対しての能力はあまりなかった俺だったが、タイピングゲームの中ではそこそこにその実力は発揮されていたといえるだろう。
俺は確かに4人の中で一番早かった。

だが、これはどうだろうか、ほめられることなのだろうか。
と俺は、頭を悩ませるのだった。
俺は3年間、これしかしていなかったのである。
その割には僅差だった。

そして俺の口は、滑る。
「お、おれは普段なら2万円とるし」。

確かに2万円を取得したことはある。
だが、そんな10回に6回は撮れるような代物ではないことを俺は知っている。
俺は、知っているのだ。

「2万円、超えたらスクショ貼りなよ」。

ラインで下された言葉は、重い。

言葉は俺を縛る。
頼み事も、お礼も、涙も、ぶつけれたものは俺の中で
永遠に走り続け、俺自身がケッチャコをつけるまでそれは消えることがない。

そして俺は3日間タイピングにしばられた。
昔の証明写真を遣おうかと思ったが、最終的には自力で2万円を達成した。
指が、痛い。
なぜ俺はここまで頑張らないといけないのか。

見えない期待。
見えない称賛。
それはないものと同じ。
というか、実際には存在しない。

常に何も見えない俺は
常に何も、感じられないだろう。

俺はふと、この腕を失ってしまうと困るなあと考えた。
タイピングだのなんだの、腕がなくなるとどうしようもない。
ああ、いやだなあ。