白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

「高度情報試験 いらない」

試験勉強を投げ出してロボットに八つ当たりをしようとする男

学生時代の俺は全く勉強をしない人間だった。
小学校時代はあまりにも勉強しなかったためか
どんどん成績は下がっていき、ついに俺は算数で0点を取った。
もともと授業を真面目に聞いていなかったのだろう。
普通の子は授業を聞いていれば、それなりに点数は取れるものだと思う。
だが、俺は、取れなかったようだ。

母は自分で教育しようとしたのだろう。
何やら昭和の香りがする察しを引っ張り出してきて
俺に何かを教えようとしていた。
だが、母は実質中卒だった。
彼女は小学3年生の算数にほとんどついていけてなかった。

時は流れて中学のころも俺はたいして勉強して記憶がない。
いや、中学の頃の記憶は全体的に希薄だった。
あんまり思い出しても、意味はないだろう。

高校時代は塾に行くことを辞めた。
塾というのは自分の時間を大幅に取られることを分かっていた。
社会人だってあんな学校が終わった後に何かをすることはない。
俺は冬の塾の帰りにサンダルで歩くのはもうこりごりだった。
受験もすべて独力でやり切った。
何回か落ちたが、終わりよければ、だろう。

大学に受かると、もはや勉強をする意味など感じられなかった。
俺には別にやることがあったからだ。

そうして社会人になると
ますます勉強を数理見などあるのだろうかと思った。
目の前に仕事があるのだ。
俺はそれに対して前向きに取り組むのだ…と。

そうして3年目くらいに転機は訪れる。
それは同期の脳破壊男にあった。

脳破壊男は俺と同じ文系卒業の男だったが
彼は試験勉強に邁進していた。
もともと監視業務というのは勉強をする人が多いらしい。
だがその余暇を勉強に使えるか、サボることに使うかはその人次第ということで
彼はそれを勉強に費やし、難しい資格を取り始めた。
俺は、こうしてはいられないと強く感じた。

IT人材ではない。
俺はもともとIT人材ではなかったが
それでも情報系の話題は嫌いではなかった。
それでもずっと馬鹿にされていたけれど、ずっとできない側の人間のまま進むしかないのだと思った。

その後、勉強のかいもあって、当初の自分からすると
目標を少しオーバーしたくらいのところまで資格取得を行った。
う~ん…、今、目の前に高度情報試験というものが迫っている。
レベル4という、一応は普通に受けられる試験のうちで
一番難しい区分に入る。

しかし、俺は勉強していて思った。

「これ…いる?」