12月24日日曜日。
朝。
朝5時の公演は真夜中同然に暗かった。
とはいえ、光はある。
住宅街の真ん中に位置する大きな公園だからか、街頭の数は少なくない。
見ればすでにおじいさん、おばあさんが公園の外周をジャージで散歩している。
こんなに暗いのに一体いつ起きているのだろうか?
俺は辺りを見回して鉄棒を掴み、7回の懸垂をした。
しばらく回数は増えていない。
クリスマスイブだった。
クリスマスに何をしたのかなんてものはいちいち覚えていないほど
最近のクリスマスの思い出というものはなかった。
トナカイとシカの違いがイマイチ分かっていない28歳の自分がそこにいた。
俺は部屋に戻って、もう思い出せないなんらかの朝食を作って喉の奥に流し込んだ。
携帯のアラームが鳴った。9時57分だった。
俺はZOOMを起動する。
毎週の用事であるところの講座を行った。
講座と言うのか、あるいはセッションというのか、分からないが
もうこの習慣を俺は1年以上続けていた。
いつか何かにつながることを願っているものの何にもつながらない可能性もある。
そうしてその1時間も終わったころ、俺はダウンを着て部屋を出た。
シルバーがかったダウンのおかげで上半身は寒さを感じない。
だが、下半身はどうだろうか。
ズボンなんてもっと分からない。
冬用のズボンが存在するのかどうかも俺は分からないのだ。
下半身だけが嫌に寒い。
駅で7駅。
散髪だ。
クリスマスイブらしく街では男女が歩いていた。
選挙カーのようなものも来ていた。
こんな年の暮れに。
いまだにこんなに離れている美容室に来ることに
一体何の意味があるんだろうか。
前の地帯住宅の時から通っていたけれど
別にここじゃなくてもいい気がした。
たぶんオーダーを覚えられているから
なんとなく通っているだけだけれど
美容師さんとの会話もないしもうここじゃなくていい気がする。
そう思っていると今回、すごい予想以上に髪が切られていた。
ああ~。
もうここじゃなくていいか…。
決めた。新しいことをしよう。
ここじゃないところへ、次からは行こう。
メリー・クリスマス。
俺は鶏肉を買う。
なんだか、何をするにも面倒だった。
来週は予定がいくつかある。
この孤独感が少しでも薄れてくれていれば、きっともう少しだけ生きられる。
その繰り返しが、続く。