白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

いろいろなものの寿命

「枯れた植物」の写真

渋谷の街を歩いているとほとんど夜空を見上げても星は見えないけれど
実家の大して電灯もないような場所では、見上げるだけで簡単に星を見ることができた。

昔、小学校の頃くらい、児童向けの学習図書?で星に関する本を読んでいた。
とはいえ、大したものではなく星座なんて複雑なものは俺の頭には全然入っていない。
ただ、そこで覚えているのは、人間の目で見るのはせいぜい6等星くらいまでだという話だった。

そのあと、理科の先生と話した。

「本で読んだんだよ、人の目で見えるのは6等星くらいまでやって」
「う~ん、今は3等星くらいまでじゃないかな」

あれ?本で読んだ情報と違うぞ、と俺は思った。
その本が発行されたのはだいぶ、昔らしかった。
時代が進んで、街に光が満ちて、その分人の目に見える星々は減っていったらしい。

全然実感できないから、それが本当のことかは分からないのだが
光にだって速さがって、その光が目に入ることで星を見ているのだから
もしかしたら見上げて目に入った星の寿命はもう尽きているのかもしれない。
旭化成のCMで流れていた「さよならの向こう側」で静かに歌われるフレーズのように。

世の中にあるものには大抵寿命がある。
何だって同じ消耗品なのだ。

新築のこの部屋に引っ越してきてから3年。
壁に貼り付けていたホワイトボードをはがしたら、壁紙がはがれてしまったし
風呂の電灯はもうずいぶん前からつかなくなっている。
パソコンのキーボードはもう2つも取れてしまったし
少し前にあった地震で時計が直撃したからか、エンターキーの調子まで心なしか悪いような気がした。
寿命が来たら捨てるべきだろうか。

人も同じだ。寿命がある。
そして、寿命があるからたぶん人は頑張るんだろうなと思うし
期限があるから人は焦るんだろうなと思う。

その寿命が目に見えるものではないからか、実感のわかないうちから人は頑張れない。
それでも頑張っている人たちがいる一方で、俺みたいな人がきっといるはずだ。
じゃあ、俺は彼らに追いつくように努力すべきなのだろうか。

この部屋にいるのも残り3か月。
少しだけ部屋の整理を始めようかなという気になった。
…なったけれど、棚やテレビ台を片すにはまだ早い気がした。
ZOOM映えしたいから本置きを机の上に移動させた。
見栄だな、これ。

見栄ってばれると、一番恥ずかしいよな。