その日も俺は職場を徘徊していた。
職場を徘徊と言っても、そんなにきれいなオフィスでもなく、どっちかというと形骸化した書類や前時代的なホワイトボードが並ぶ
別にこれと言って徘徊していても楽しくはないような場所である。
設置された安物の大型ディスプレイを眺めながら自分が設定したスクリーンセーバーを眺めていた。
全く仕事と関係ないことをしていても「たぶん何かしてくれているんじゃないか」と思われるようになったのは最近である。
結局、管理職が確認できるのは最終的な制作物だけでそのプロセスに関しては全く管理しようとしていない。
それはどうなんだろうかと思うけれど、まあ、自分の仕事で忙しいのかもしれない。
やはり、必要のない掲示板を眺めていると資格の話になった。
職場では3か年計画でＩＴパスポート取得を目指すぞというふうに言われていた。
ＩＴパスポートはインターネット上ではむしろ持っているほうがばかにされているような資格だが
（その印象があるだけの偏見）
確かにうちの職場のＩＴに対する苦手意識は半端なものではない。
本気を出せばどうにかなるとでも思っているのだろうか。
そこで話題に現れたのはＳＤＧｓ検定である。
以前放送中にこの用語を出されて、ＳＤＧｓって何だっけとなっていたことを思い出した。
ＳＤＧｓとは持続可能な開発目標の略らしい。
今まで世界の破壊に目をつむってきた人間達がそろそろやばいとなって
最近抱え始めた目標群のことをいうのではないだろうか。
緑の革命とかいいつつノーベル平和賞を受賞した人の功績も
今の時代では「なんてことしてくれてんねん！」であり
ついでに言えばつい3年くらい前までは「東京オリンピックだ！日本が世界の中心だ！」と大学で教えられていたのに
今の時代では「感染覚悟でオリンピックを強行するあほな国」である。
どんなにすばらしい時も永遠に続いていくことはない。
だから、今幸せだから死にたいという人の気持ちが分からないことはなかった。
そんなＳＤＧｓ。
100分に及ぶドキュメンタリーを4回も見た身としては
興味をそそられるものがある。
日本は形に見える者に安心する用だ。
ＳＤＧｓ検定とやらに挑戦してみてもいいかもしれないな。
