いまだ底辺の世界を抜け出せないでいた。
20代というのはなんの努力もしなかった場合
たいていが社会の中のレイヤーに組み込まれて底辺から始まる。
何であろうとも、基本的に
新しい世界に入る時は大抵そういうものである。
人間年を取って同じ環境に居続けると
成長も止まるし、いいことはないよなんていうけれど物は言いようだ。
新しい世界に行く今まで積み上げてきたものがないわけだから
基本的には最下層からまた自分を一から積み上げていかないといけない。
そういうことに耐えられるのかどうかはかっている、自分にかかっている。
それでいうと、20代も後半に差し掛かっているのに
俺は底辺の世界を抜け出せないでいた。
場末のYoutube動画も登録者100人の域を出ない。
現代に生きる人間はマウントの取り合いに見える一方で
マウントの取り合いができるほどのポテンシャルを持つ人間は
それなりに努力したか、才能があるか、周りに恵まれているか
あるいは運に恵まれたかのどれかである。
実は、見えてはいないのだが
圧倒的に底辺の階層の人数のほうが多い。
それに輝いている人間にしたって
私生活のすべてが輝いているのはきっと珍しいことだろう。
誰しも汚い部分は見せたくないものだ。
努力は隠れてするものか。
それでも26歳。
いまだ努力のための努力をするという最下層。
あとは這い上がるのみという実現不可能な目標を掲げているやつは多いが
きっとそんな奴は大したここのない「今日の積み上げ」を考えるのに時間を使って
その実、大したことはしてはいない。