白みかん

白みかんは、おいしいみかん。みかんを剥くのがうまいよ。

時給2700円

 

残業代というものにはあまり縁のあるほうではなかった。
前職の総残業時間、大目に見積もっても10時間ほど。
午前3時くらいに帰ったこともあったが
その分、出勤時間をずらしているという魔法によって
俺に残業代が支給される機会はほとんどなかった。

わずかに出ていた残業代を明細から計算すると
1時間あたり1800円という結果が得られた。
これはすごい。

学生時代のアルバイトの時給が1000円だった。
あの労働はあの労働で過酷だった。
和田アキ子のような顔をした短髪の女性が
お局的な存在としてフロアにげきを飛ばしていた。
そしてねぜか年の瀬にはマルマルモリモリダンスをしている社員たちを
眺めることになっていた。俺はよくわからなかった。

あのダンスの名前はマルマルモリモリダンスで
合っているのだろうか。

そしてこの度、俺は転職しやっと派遣されている。
実態として派遣社員な俺だが、前の会社よりは厳しいのであった。

残業もするだろう。
見れば先月の残業時間、5.5時間。

14850円という残業代が加算されていた。
これは算出すると2700円になる。

この計算は合っているのだろうか。

学生時代のアルバイトの自分、2.7人分である。
社会人はすごい。

アルバイトの自分がやはり、シャコシャコと
ストレスをためながら働いていたのが
馬鹿みたいである。

時給…時給…
残業…。

それでも残業はしないほうがいい。
残業という幻のお金にとらわれず
やはり自分は効率的に仕事を終わらせたいと
そう思うのだった。